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2017.07.2|No.7 総合診療について

現代は、医学の発展とともに医療が専門・細分化しています。

大きく内科、外科などしか分かれていなかった昔と違い、現代では、内科でも呼吸器内科、消化器内科、循環器内科という風に分かれています。その中でも、大きな病院ですとさらに細分化されています。

例えば消化器内科は、胃・十二指腸疾患を専門とする部門、大腸疾患と専門とする部門、肝臓疾患を専門とする部門 という風に。これは高いレベルで専門性を追求した結果起こったことでもあると思います。

実際に、胃がんの内視鏡治療など専門性の高い治療をしてもらうなら、胃がん治療を専門にしている先生に診てもらうのが最も良いことは明らかです。

一方で、専門化・細分化の動きとは逆に、全人的に人間を捉え、特定の臓器や病気に限定せず多角的に診療を行う総合診療というものも、この10年ほど流行りつつあります。

総合診療医は、内科はおおむねどの科であっても診ますし、簡単な外科もみるし整形外科もある程度診ます。時には精神科疾患も診ますし、子供や妊婦さんまで診る総合診療医もいます。いわゆる、田舎のかかりつけ医を思い起こしてもらえればイメージしやすいですし、最たるものが昔の赤ひげ先生的なものですね。(ややこしいのですが総合診療と違って外科や小児科などは診ないですが、内科全般を診る総合内科というものもあります)

専門性の高い1つの疾患を診てもらうのではなく、普段の健康管理をするとなったら、幅広く診るかかりつけ医や総合診療医の出番です。ご高齢の方は、複数の疾患を持っていることが多いからです。
また専門性が高くないありふれた疾患(肺炎や腎盂腎炎などの感染症がその代表例です。)も、実は専門医よりもかかりつけ医や総合診療医の方が経験数が多いこともあります。


では今流行りの総合診療医とかかりつけ医は何が違うのかというと、違いはほとんどありません。あえて言うと総合診療医は、専門医のレベルまでとは言わないまでも、限りなく近づくため最近流行りのEBM(証拠に基づいた医学)を重視している点と、時に比較的専門性が高いことまでカバーしている点だと思います。

さて、今日の話をまとめると以下に集約されると思います。


この神経痛で注意することは、時に帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスが原因となりうることです。その場合は湿疹が頭部に出現してきますが、痛みより遅れて出てくることもありますし、髪の毛に隠れてわかりにくいこともあります。



次回は「福山で総合診療が根付くために」です。

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